Wanted Labの新規登録数が2.5倍に増加、実験文化も定着

データアクセスの民主化を通じて、Wanted Labは継続的な実験文化を組織に定着させ、主要KPIの改善を実現。
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Jun 17, 2026

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分析/アクション/成果: Wanted Labは、継続的な実験を組織文化として定着させるため、データへのアクセス障壁を取り除き、誰もが主体的にデータを活用できる環境の構築を目指していました。Amplitudeを組織共通のデータ言語として活用した結果、ランディングページの登録コンバージョン率は150%向上し、年間1,300以上のチャートが作成される、自律的な実験文化が形成されました。

Wanted Labのシニアパフォーマンスマーケターとして、私が直面していたのは、容易には解決できない課題でした。労働市場が厳しさを増し、マーケティング予算も縮小するなかで、マーケティング効率を高めながら、新規登録数と応募数を同時に伸ばすことが求められていたのです。

限られた予算のなかでは、広告投資を拡大することで成長を促進する余地はありませんでした。そのため、既存のファネルを最適化し、その構造自体を改善することで成長を生み出す必要がありました。改善すべき領域が数多く存在することは認識していましたが、その前提として必要だったのが、より明確な目的意識に基づくデータ活用でした。

Wantedは、AIを活用した韓国最大級の採用プラットフォームです。インセンティブ型の紹介モデルを通じて、数百万人のプロフェッショナルと大手企業を結びつけ、紹介した人材の採用が成立した場合には、ユーザーに報酬が支払われる仕組みを提供しています。

より多くのユーザーのキャリア形成を支援するうえで、組織が直面していた大きな課題のひとつが、データリテラシーとデータへのアクセスでした。具体的には、以下のような課題がありました。

  • マーケティングチームとプロダクトチームの間に共通のデータ言語がなく、分析業務が専門の分析チームに過度に集中していた
  • プロダクト上で問題が生じても、機能単位でパフォーマンスを詳細に分析することが困難だった
  • 問題の特定から対応までに複数のチーム間での引き継ぎが必要となり、意思決定と改善に時間を要していた
  • 各チームが個別にデータを扱っていたため、広告のクリックから履歴書の入力、さらには応募に至るまでのユーザー行動を一貫して把握することが困難だった

答えは明らかでした。データを民主化できれば、エンジニアやアナリストだけでなく、マーケティング担当者も自ら仮説を構築し、それを検証するための実験を設計できるようになります。同時に、分析チームへの依存を軽減し、問題解決やプロダクト改善に要する時間を短縮することも期待できました。

しかし、その実現にはひとつの障壁がありました。ユーザー行動を詳細に可視化しながら、専門的な分析スキルを持たないメンバーでも自律的に分析を行える環境が整っていなかったのです。そこで導入したのが、Amplitudeでした。

Amplitudeを基盤とした共通データ言語の構築

Amplitudeは、プロダクト、開発、マーケティングの各チームを横断する共通のデータ言語として機能するようになりました。

分析結果を行動につなげるために、Amplitudeのデータ分析ツールのフルスイートにより、正式な「実験→分析→改善」サイクルを設計しました。Amplitude Analyticsの導入により、各チームは分析チームに都度依頼することなく、ユーザーがプロダクト内をどのように遷移し、どの段階で行動をためらい、どこで離脱しているのかを自ら把握できるようになりました。

次に、Amplitudeのメトリクスチャートを用いて機能ごとのダッシュボードを構築し、それぞれのパフォーマンスをリアルタイムでモニタリングできる環境を整備しました。これにより、問題を早期に検知できるようになっただけでなく、従来存在していたチーム間の情報の分断も解消されました。マーケティング、プロダクト、分析の各チームが、共通のデータと指標に基づいて議論できるようになったのです。

問題を検出した場合は常に、Amplitude機能検証を活用し、その問題を検証可能な仮説や実験テーマへと転換しました。こうしたプロセスを継続することで、組織全体におけるデータ活用と実験の習慣が徐々に定着していきました。現在では、Web、アプリ、個々の機能など、さまざまなレベルで実験を設計し、プロダクト改善へとつなげています。

また、行動コーホートを活用することで、年齢や属性といった一般的な人口統計情報ではなく、実際の行動パターンに基づいてユーザーを分類できるようになりました。その結果、特定のユーザーセグメントに対して、より精度の高いパーソナライズ施策を実施することが可能になりました。

こうしたインサイトは、AIによるマッチング精度の向上に加え、ユーザーセグメントごとのキャンペーン最適化やユーザー体験の改善にも活用されています。たとえば、マッチ率の低いユーザーをひとつの行動コーホートとして分析したことで新たな仮説が生まれ、その検証を通じて、履歴書作成につながるクリック率の向上を実現しました。

継続的なプロダクト改善を支える仕組み

Amplitudeの導入により、マーケティング効率を高めながら、新規登録数と応募数の増加を実現しました。現在では年間1,300以上のチャートが作成され、データに基づく分析と実験を通じて、継続的にプロダクト改善を生み出す仕組みが組織に定着しています。

  • コアファネルの最適化: ユーザーが行動をためらうポイントを特定し、登録フロー上の障壁を取り除いた結果、ランディングページの登録コンバージョン率は4%から10%へ上昇し、2.5倍の改善を実現しました。
  • 機会損失の改善: 応募意欲の高い求職者が直面していた障壁を特定・改善したことで、主要な検索キーワードにおけるコンバージョン率が38%向上しました。さらに、一括応募ボタンのUXを改善したことで、それまでユーザー体験上の摩擦によって失われていた月間7,000件以上の応募を回復することができました。

分析チームへの依存から、自律的なデータ活用へ

Amplitudeの活用によって得られた変化は、KPIの改善だけにとどまりません。組織全体のデータリテラシーも向上しました。

ダッシュボードを通じて誰もが必要なデータにアクセスできるようになったことで、各チームが共通のデータを参照しながら、それぞれの立場からプロダクト改善に取り組めるようになりました。

その結果、問題が発生するたびに個別に対応する従来のアプローチから、仮説を立て、実験によって検証し、その結果を次の改善につなげる継続的なアプローチへと移行しました。こうしたプロセスを繰り返すことで、実験と検証を重視する文化が組織全体に根付きつつあります。

また、「Amplitude Coffee Chat」「Wanted Pre-Onboarding」「MGS 2025」などの社内外のイベントを通じて、データの解釈や実験から得られた知見を継続的に共有しています。こうした取り組みも、組織全体のデータリテラシーを高め、データに基づく意思決定を浸透させるうえで重要な役割を果たしています。

現在、Wanted Labのプロダクト体験チームとマーケティングパフォーマンスチームは、分析チームに過度に依存することなく、緊密に連携しながら、自律的にデータを活用できるようになりました。

複数のチームが共通のデータを基盤として協働することで、当初は実現が困難に思えた目標を達成することができたのです。


About the author
Keunyoung Lim

Keunyoung Lim

Senior Performance Marketer at Wanted Lab

Keunyoung Lim is a Senior Performance Marketer at Wanted Lab, focused on driving growth through data-driven experimentation and funnel optimization. He combines product collaboration, advertising channel management, and AI-powered tools to build scalable marketing operations.

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